最終日(7月30日)

 

遂に、遂に、遂に、今日で終わっちゃいます!母ちゃん、オレ帰りたくないよ!ヴォォォォォォォォォォイ゛!!!(あなたが出せる精一杯のデス声で音読してください。)
楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうんですね。早くも最終日です。ああ!「オレは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!」と猛烈に叫びたい!
しかし、天気はここにきて遂にピーカン晴れ!ギラつく太陽に照らされながら、我々は最後の戦いに向かいました!

 

最終日、見事な青空が広がっていました。

幕張の人殺し級の暑さと比べると、あまり暑さは感じませんでした。

 

11:30〜 envy (WHITE STAGE)
いささか臭いがキツイ林道を抜け、ホワイトステージに飛び出ると、そこは人外魔境でした。
最終日のホワイトのオープニングを飾るのは国産ハードコアバンド・envyです。
熊殺しの異名を持ってそうなヒゲ面のヴォーカリストは、喉が裂けそうなデスヴォイスを発し、ネイチャーにはカオティックなサウンドが響き渡っていました。
個人的な趣味からすると、この泣きのハードコアはかなりグッときました。まったく真昼間っからとんでもない世界を見せ付けられましたよ。
一発目にもかかわらず、すで沢山の人だかりが出来ていましたが、きっとこの音の力に引き寄せられたのでしょう。
もう「壮絶」の一言に尽きました。今朝は少し遅めに出発した為、残り3,4曲くらいの観戦だったんですが、ちょっと後悔しました。これはCD買おう。
フェスティバルならではの、思わぬ出会いでした。

 

12:50〜 ISIS (WHITE STAGE)
アーロン・ターナー率いるプログレッシヴメタルバンド・ISIS、実は密かに凄く楽しみにしていたアクトでした。
ピーカン晴れだというのに、まさかの全員黒シャツ着用で登場。「ドイツで黒の着こなしを学んだ」という蝶野の名言が聞こえてきそうです。
頭をブンブン振りながらギターを掻き毟り、魂の咆哮を叩きつけるアーロンさんの姿は、こういうのを一心不乱と言うんだろうなと思わせるものでした。
序盤はビールを食らいながら音に浸っていましたが、中盤に差し掛かった辺りでスルスルと前に行き、僕もアーロンさんに合わせて頭ブンブン振ってきました。
そして、メタルでありながら有機的なサウンドは、この環境にピッタリで、ステージからは正に山のような音像が飛び込んできます。
徐々に徐々に、ヘヴィの高みへ登っていく最高のクライマックス主義。広がる山々との融合。なんだ、このメタルのアンビエントは!
ISISのライヴパフォーマンスは「音の粒子が見える」と形容される程で、なるほど、これが夜だったら本当に音の粒子が見えていた気がします。
夜ならライトワークも加わって更に良い雰囲気が出たことでしょう。尚更この時間帯での出演が悔やまれます。
バンドはMC一切無しで黙々と演奏を進めて行ってましたが、寡黙な男達が鳴らすオーガニックな爆音は感動的ですらありました。
そして、ラストは“In Fiction”で壮大に、いと壮大に締めくくられました。白昼堂々カタルシス。アメリカって広いな!

 

ホワイトステージの周りに広がるナイスネイチャー。

ISISが鳴らす音は正にこれでした。

 

連絡調整の不備で合流ポイントでパーコと合流できず、まあ飯でも食おうかとポケモンとワールドレストランエリアへ。
フジロック最後の昼食、英国名物フィッシュアンドチップズを頂きました。
久々に脂っこい物を目の前にしてテンション上がりましたが、白身のフライにかぶりついたとたん、あまりの生臭さにムハ〜っとなりました。
食後、少しマッタリした後、SNOW PATROLを観るべくグリーンステージに向かいました。

 

15:10〜 SNOW PATROL (GREEN STAGE)
「お前絶対良い人だろ」と決め付けたくなるような、ホント良い人そうな顔のゲイリーさん率いるSNOW PATROLの登場。
日差しが照りつける中、芝生に座り込んでマッタリと観戦しました。持ち前の爽やかな楽曲が、清涼剤のように染み入ってきます。
ふと周りに目をやると、寝転んでいる人、手拍子している人、踊っている人、皆思い思いに楽しんでいました。ポケモンは爆睡してました。
二人組みの女子がシャボン玉を吹いていたんですけど、風に乗ってこっちにフワ〜ッと流れてきて、何とも綺麗な光景でした。
広がるネイチャーを眺めながら“Run”を口ずさんだり、まさに至福の一時でした。
騒いで、喉枯らしてシンガロングして、ハイになるだけがライヴじゃないっていう、新たな楽しみ方を発見することが出来ました。
ラストは“You're All I Have”で、これまた爽やかな締め。お勤めご苦労さんでした。

 

ステージからちょっと視線を外すと、こんな景色が広がっております。

本当に良いところでした。

 

今日で最後ということで、ライヴ観戦は一旦やめて、場内探検の旅にでました。
森の中を突っ切るように作られたボードウォークを歩き、最奥の地・オレンジコートを目指しました。※詳しいステージマップはコチラを参照して下さい。
ボードウォークは、ホワイトとフィールドオブヘヴン&オレンジを一気に結ぶショートカット的な通路です。静かで、ひんやりしていて独特の空気が流れていました。
途中、木道亭という小さな小さなステージがあり、アコースティックライヴが行われていました。どこにでも音楽が存在するフェスです。
ヘヴン行きとオレンジ行きの分岐点で、ゆらゆら帝国に備えてヘヴンに行くと言うポケモンと別れ、ここから一人旅。
オレンジ到着後は、ヘヴン→アヴァロン→ホワイト経由で帰りました。フィッシュマンズがライヴ中だったヘヴンには、半端じゃない数のお客さんがいました。
もっと詳しく見て帰りたかったんですが、人が多くてそうもいきませんでした。
夜はオブジェの演出とかで、また綺麗な風景が見れるようですし、深夜のライヴなんかももっと観たいですね。
あー、あとドランゴンドラも一回乗りたいな。とにかく、次来た時は骨の髄まで楽しみ尽くしたいと思います。

 

ボードウォーク。

静かな雰囲気に飲まれて、道行く人皆静かでした。

 

フジ最奥・オレンジコート。

年を取ったら、ここに出るようなアーティストを好むようになるのでしょうか。

 

フィッシュマンズが演奏中のフィールドオブヘヴン。

とんでもない人口密度でした。フィッシュマンズの人気は凄い。

 

アヴァロン。

こちらも人多過ぎ。ステージすら見えませんでした。

 

冒険が終わった後は、休憩するために一旦オアシスに引きあげました。
HMVのブースの前を通りかかったら、偶然ORSONのメンバーがトークショーで現れ、ファンでもないのに思わず写真に収めてしまいました。

 

日本人は本当にミーハー。

この人の名前すら知らないよ。

 

何度も言います、残さず言います、今日で最後です。ここでレッドマーキーの前の林の木陰に陣取り、“第二回一人飲み会IN苗場”を催しました。
やっぱりネイチャーを肴に飲む酒は美味かとです!それにしてもこの三日間、飲食の“飲”の部分でどれだけ金を使ったことか。相当飲みましたよ。
木陰で洋酒に舌鼓を打っていると、ポカリブースのキャンギャル様達が役目を終えてゾロゾロ引きあげていました。
僕の目の前を通り過ぎるキャンギャル様達。やがて僕に背を向け歩き去って行くキャンギャル様達。当然目で追う小生。
あーっと!なんとコスチュームの半ズボンが短過ぎて全員ハミケツしてるじゃないですか!全員ハミケツしてるじゃないですか!全員ハミケツしてるじゃないですか!
こりゃー俄然酒が美味くなるってもんです!オレの股間もレッドマーキーってバカヤロウ!そーか!これがフジロックマジック8か!

 

右も左もよく覚えてません。

ハミケツ効果もあり、凄く美味かったよ。

 

もう見納めです……。

とにかくナイスネイチャーでした。

 

18:50〜 KILLING JOKE (REDMARQUEE)
アルコールをガッツリ注入したところで、オヤジのヘヴィロック魂を見るためにレッドマーキーに突入。
芸歴もそうとう古く、メタリカ、ニルヴァーナ、スリップノットらに影響を与えたレジェンド的なバンド。
にもかかわらず、周囲を見渡すとオーディエンスの平均年齢は結構若いぞ!
なんでも今回は20年振りくらいの来日だそうで、ここに居あわせていた殆どの方が初見だったんじゃないでしょうか。
そんなこんなで、BGMが止みヴォーカルのジャズおじさんを除いた楽器部隊の4人が登場。が、ベーシストがチューニングに手こずり中々始まらない。
ここで、「早くやれー!」と生まれて初めてマンガばりの野次を聞きました。
チューニングが決まったところで、遂にイントロが鳴らされ、顔を白く塗りたくった一人へらちょんぺ状態の異形のジャズおじさん(3児の父)入場。
のっけからお年を感じさせない一音一音がズシズシくるヘヴィな演奏。間違いなく今の若者にも受け入れられるモダンヘヴィネス。
ジャズおじさんはマジなMCをかます一方で、レッチリのアンソニーの如く舌をペロリと出したり、アホ面を幾度と無く披露してくれました。舌出すと誰でもアホ面になるんだね。
またライヴの途中には、松明を持ったセクシー姉ちゃんが乱入してパフォーマンスしたりと、なかなか凝ったステージでした。
やぁ、かっこよかったなぁ。昨日のレッチリもそうだけど、今おっさんが熱いです。
レッドマーキーから引きあげるとき、若い兄ちゃんの「いいもん観たわ」という声が聞こえてきました。オヤジのヘヴィロック魂は、確かに届いた。

 

20:20〜 THE STROKES (GREEN STAGE)
KILLING JOKEのアンコールを観ずに、ダッシュで駆けつけました。女子率高し。
最終日大トリを飾りますは、ロックンロールリヴァイヴァル勢の総大将・THE STROKESであります。
サマソニ03では、バンドTを着て行っておきながら、大人の事情で観ずに帰ったという珍事件を起こしてしまいましたが、今回はそのリヴェンジです。
音楽的にはドカーンと派手にやるタイプではないので、僕も軽く身を揺すったり、合いの手入れながらマッタリ楽しみました。
一応大トリなんですけど、昨日が強烈過ぎたせいで万感の思い的なものは込み上げてきませんでした。
シンプルな楽曲を淡々と演奏、というのが彼らのスタイル。そんなところがクールなんだけど、実は淡白と紙一重。
途中、Vo.ジュリアンが客席にまで降りて行って客を沸かせる場面もありましたが、全体的に観ると、この日のライヴは僕の目には淡白に映りました。
大トリ決定の報道があった時かなりブーイングが出たアクトでしたが、今も続くロックンロールリヴァイヴァルのシーンにおいて、THE STROKESはムーヴメントの元祖的存在なわけで、
そろそろ、いい加減ここ日本でも、そのハイライトの一つとして、フェスのトリで出演という事象が必要なタイミングだったのではないでしょうか。
パンパンのオーディエンスに歓迎されている彼らの姿を観ていたら、そう思わずにはいられませんでした。客観的に観ると、大いに盛り上がってましたし。

 

22:30〜 MOGWAI (WHITE STAGE)
初めて参加したフジロックフェスティバル06、その最後をMOGWAIに締めくくってもらいました。
ホワイトステージには、最後の福音を求めて大勢の人達が詰め寄せていました。
夜空に響き渡るスピリチュアルなノイズは、自分の中で幾つかのセンチメンタルな要素が重なってしまっていたせいか、まるでエンドロールのように染み入りました。
夜は肌寒くなる苗場の気候とノイズギターが絶妙にマッチして、本当に良い雰囲気が出ていました。
この日、同じくホワイトステージに登場した、SUPER FURRY ANIMALS、ISIS、envyら親交深き盟友達に感謝の意を伝えるメンバー。
そして僕も、三日間の祝祭に感謝すべく、ノイズに耳を傾けながら、初日から起こった出来事を順に思い出し、この祝祭を振り返りました。妙に泣けてきました。
なんてことをしてたら、隣のパーコも同じく三日間を振り返っていたそうです。これがフジロックマジック9か。
夢見心地でありながらも、そっと現実に戻してくれるような、本当に最後に相応しいアクトでした。
終わった頃にはすっかりセンチメンタルモードになってしまいました。

 

フジロック最後の夕食。この日はフジッリというパスタを食べました。ボリューム満点で、フェス飯で初めて腹が一杯になりました。値段と量がマッチした貴重なメニューでした。
宴も酣ということで、いよいよお別れの時。最後にくぐったメインゲートには、“SEE YOU NEXT YEAR”の文字がありました。
そうさね、来年かどうかはわからないけど、また来たいやね。そして僕は、何度も何度も振り返りながら、会場をあとにしました。
宿に戻っても、やっぱり興奮して眠れませんでした。ポケモンにいたってはもう触れるまでもねえよ。
最終日も朝5時まで続くフジロック。時折、携帯電話を開いて時刻を確認しては、「あと1時間で終わる……」なんて話をしながらウダウダと祭の最後を惜しんでいました。
翌朝、越後湯沢駅へ向かう車の中、山道から見えたレッドマーキーとグリーンステージの屋根にキャーキャー言いながら苗場をあとにしました。
新幹線で6時間掛けて地元に戻り、在来線のホームで電車を待っていたら、なんと!三日通し券のリストバンドを付けている方がいらっしゃいました。
まさか地元で、こんなクソ田舎で同士と遭遇出来るなんて思ってもいませんでした。ああ、これが最後のフジロックマジック10か。
そして、帰宅後は、恒例の断リストバンド式を執り行い、僕のフジロックフェスティバル06は終わったのでした。

 

フジロック、三日間ありがとう。

しばらくの間、手首には感触だけが残ってました。

 

人生初のフジロックフェスティバル。史上最もヌルいブッキングと言われてきました。
正直な話、行く前は「自分はこれで盛り上がれんのかなー」と思っていましたが、終わってみれば思いっきり楽しめました。
実際、ブッキングはヌルかったです。しかし、それを補って余りある環境、なんとしてでも楽しもうとするお客さんのガッツ、
そして合計10回のフジロックマジックの体験。本当に素晴らしいフェスでした。絶対にまた来ます。

 

各賞発表
カッコよかったで賞:RED HOT CHILI PEPPERS
楽しかったで賞:FLOGGING MOLLY
感動したで賞:ISIS
泣けたで賞:MOGWAI
よく帰ってきたで賞:内田おじいちゃん(ザ・キングトーンズ)
美味しかったで賞:フジッリパスタ
沢山飲んだで賞:ハイネケン
入りたかったで賞:足湯

 

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