初日

 

 

遂に今日から三日間に及ぶ音楽祭が始まります。
これから長丁場の戦いが待っているので、マッタリと行動を開始することにしました。

朝一のグリーンステージに出るRODRIGO Y GABRIELAが観たかったのですが、
マッタリし過ぎたせいで間に合わなくなり、仕方無しにレッドマーキーへ足を運びました。

 

 

 

 

11:30〜 MIDNIGHT JUGGERNAUTS (RED MARQUEE)
フジロック2008の開幕戦の相手は、豪州の3ピースバンド・ミッドナイトジャガーノーツとなりました。
リズム隊とヴォーカル/シンセという編成。一昔前のSF映画を思わせるようなシンセにディスコビートが乗っかり、
何ともスペイシーなダンスミュージックを聴かせてくれました。

 

 

 

 

ライヴ後は、本日現地入りした虎子と合流。
虎子の荷物を置くために、一旦宿まで行き、また戻るというハードワークをこなしたあと、
くるりを観にグリーンステージへ向かいました。

 

 

 

 

 

 

今夜ここにマイブラが!

既に頭の中はマイブラの事でいっぱい

 

 

 

 

 

 

14:20〜 くるり (GREEN STAGE)
芝生に寝転がりながらマッタリと観てました。
バンドものんびりとしたムードで演奏を始め、牧歌的なメロディがなんともピースフル。
月日を重ねる事に音楽形態が変わっていくくるり。
いい意味で、「ロックバンド」という言葉では括れない存在になっていると思いました。
早々に名曲「ワンダーフォーゲル」が聴けて満足したので、ワシはそのまま眠りに落ちました。

 

 

 

 

15:50〜 TRAVIS (GREEN STAGE)
目覚めると何時の間にかくるりの出番は終わっており、トラヴィスの出演時間が迫っていました。
翌日の韓国フェス出演の兼ね合いもあるのでしょうが、このクラスのバンドを日中に観れるとは何とも贅沢。
というか、金曜のラインナップだけ観ると今年のフジは珍しく豪華。社会人が一番来辛い日なのに。
後に控えるメンツだけをみても、ブロックパーティー、カサビアン、ヴァインズ、フィーダー、マイスパレード、
そしてブーツィー・コリンズにマイブラなどなど、かなり駒は揃っています。
この辺のメンツを各日に分散させておけば、もうちょっと体裁を保てたと思うんですが。

そうこうしているうちにトラヴィスの面々が登場。
すっかりハゲ散らかしたVo.フランさんを見ていると、『いつかは自分も』という思いが強くなりドキドキが止まりません。
こちらもくるりと同様にピースフルなライヴを展開。合唱も起こったりして実に良い雰囲気でした。
雨が降ってきたところで、セットには入れてなかった雨降りの唄を急遽演奏するという、ファンには堪らない演出もあったようです。
全ての演奏が終わると、フランさんはモッシュピットまで下りてファンと触れ合っていました。
何ともアットホームでほのぼのとしたライヴで、心が和みました。

 

 

 

 

18:20〜 THE VINES (RED MARQUEE)
マイブラと並んで、今年の出演キャンセルの有力候補と見られていたヴァインズ。
ちゃんと来てるのか?ちゃんと演るのか?と思いながらレッドマーキーへ向かいました。
出番の30分前ながら、人の入りはかなりのもの。この調子だとフルハウスは確実。

客電が落ち、大歓声の中メンバーが登場。クレイグさんは咥えタバコで現れました。コーラもちゃんと準備されてます。
ビートルズ・ミーツ・ニルヴァーナと、天国でしかありえない出会いで形容されるヴァインズですが、
クレイグさん自身も、いつ天国に行ってもおかしくないエキセントリックな人柄ゆえ、
ちゃんと目の前に現れた瞬間は「ほんとに来よったわ」と少し驚いてしまいました。

奇跡の再来日ライヴはのっけからハイヴォルテージでした。因みにクレイグさんはご機嫌良好で動きもキレキレ。
クレイグさんの声も良く出ていたし、バンドの演奏もまとまっていたし、今のヴァインズの状態の良さが窺えました。
ハイテンションながらも、最後まできちんと演奏してくれたし、“GET FREE”の大合唱は凄まじかった。
前回の来日で悪夢を見せられたファンも、このライヴで少しは溜飲が下がったのではないでしょうか。
ラストの“FUCK THE WORLD”ではクレイグさんがギターとドラムセットを破壊。あっと言う間の一時間。
嵐のように現れて嵐のように去っていった、そんな趣のライヴでした。

 

 

 

 

20:30〜 FEEDER (RED MARQUEE)
嫁が日本人のVo.グラントに、純正日本人のBa.タカ・ヒロセ。
日本と何かと縁のあるフィーダーが初日のレッドマーキーのトリを務めました。
「スマッシュの社長も偉いけど、一番偉いのはお前らだからな!」とタカさん。
脳内で瞬時に今年のクソブッキングを振り返ると、「うおーーー!!!」と声を上げられずにはいられませんでした。
ブッキングがイマイチでも毎年懲りずにやって来るお客さん達。そうじゃ!一番偉いのはワシらじゃ!
新譜からの曲を散りばめつつも、ベストオブベスト的なセットリストで相変わらず一体感溢れるライヴをしてくれたフィーダー。
最後まで観たかったのですが、マイブラだけは絶対に最初から観なければならない!と思い、
“BUCK RODGERS”の演奏が終わったところでレッドマーキーを後にしました。
あぁ、アンコールの“JUST A DAY”はさぞかし盛り上がったんだろうね。

 

 

 

 

21:30〜 MY BLOODY VALENTINE (GREEN STAGE)
伝説が一人歩きしているのか、それとも実力は本物なのか、遂に白黒ハッキリする時が来ました。
意外にも定刻通りにキチッと登場したマイブラ。ミニスカにブーツ姿のビリンダ母さん(47歳・子持ち)に萌えたのはここだけの話。
それにしてもメンバー達の静かなる佇まい。これがノイズの前の静けさか。
すると、メタボリックノイズメーカーことケヴィン・シールズが軽くワンストローク。そしてフィードバックノイズを生み出す。
ケヴィンが「ワン・ツー…」と呟いた後にコルムのカウントからノイズ大量生産がスタート!
オープニングチューンは“I ONLY SAID”。なんじゃこの圧倒的な轟音ノイズは!父ちゃん、マイブラは実在したんや!
そんなこんなで、一曲目の出だしの一音から感動するという、今までにない体験をしてしまいました。

 

 

 

 

 

 

絶賛ノイズ生産中!

そのノイズは本物だった

 

 

 

 

 

 

ただでさえケヴィンも母さんも声を張らないタイプのヴォーカルなのに、
ここまで轟音垂れ流しだと、ろくにヴォーカルも聴こえません。
しかし、これもまたマイブラらしいというか、いつまでもこの甘美なノイズに浸っていたいと思いました。
母さんは母さんで、ギターの弾き方とか凄く素人臭いし、無理矢理狩り出された主婦みたいなテンションなのに、
ノイズ大量生産に従事しているという、見た目とやってることのギャップにまた萌えてしまいました。

圧巻はラストの約20分に及んだ、延々ノイズ垂れ流しタイム。ひたすら響き渡る白いノイズ。
20分ずっとシンバルをしばき続け、腕に限界来てそうなコルムは「お願いケヴィンもうやめてくれぇぇぇ!」と言いたげな表情。
いつ終わるとも知れないノイズの嵐に、耐え切れなくなりその場から離れるお客さんもチラホラ。
そりゃそうだ、マイブラが暴走族だったら絶対に特攻服には「唯我独尊」と刺繍する。そんなプレイスタイルだ。
皆で一緒に楽しみましょうという気持ちは、多分ないのだろう。
こんな大勢の客の前で、あんなライヴを平然とやってのけるマイブラにただただ脱帽。
「グリーンのトリはムリ」とか「ホワイトのトリで充分だ」とか言ってごめんなさいでした。圧巻のライヴでした。
2年前のフジでモグワイを観たときも相当感動しましたが、今回はその比ではないというか、やはり先駆者は違う。
なんかワシ思ったね。サマソニに取られなくて本当に良かったと。大自然の中で観れて本当に良かったと。

 

 

 

 

マイブラ終演後、無感動のパーコと、轟音ノイズ祭にあっけにとられていた虎子と合流。
「ほんとこういうの好きだね」と半ば呆れられた感じで言われましたが、
それでもワシは感動を噛み締めながら宿へと戻ったのでした。

さて、今年泊まったお宿。見た目はキレイで、まぁ中もキレイなんですけど、
風呂が23:30までと不親切。フジロッカーがそんな早い時間に帰ってくるわけないだろうと。
こっちもフジロック料金(間違いなくスキーシーズンより高額)なのを承知で泊まってるんだから、
そんぐらい融通利かせてくれても良いジャマイカ。というわけで、24時間銭湯に行きました。
噂に聞いていた「全裸で順番待ち」を、目出度くワシも経験することができました。
全裸で立ち尽くすワシの姿。あれはそうとう惨めでしたわ…。