テキスト:部長
念願叶って、遂にレディオヘッドのライヴを観る事が出来た。
会場の幕張メッセには、言うまでも無く、多くのファンが詰めかけていた。17時20分頃、客電が落ち、ステージにさっそうとメンバーが登場。
昨年のサマーソニックでのライヴを見逃したという事もあって、この目にトムの姿が映った瞬間は胸にグっとくるものがあった。
”2+2=5”でライヴがスタート。陰鬱に歌いまわし、サビに入ると壊れてしまったかの様に爆発するという、
近年のレディオヘッドの楽曲の中では、かなりエキサイティングな曲である。当然、サビに入るとオーディエンスも「待ってました!」と言わんばかりにヒートアップ!
そして部長は、あっという間に人の波に飲み込まれてしまったとさ・・・。
トム・ヨークという人は、自分が勝手に抱いていたイメージとは違い、実に笑える人間だった。
ピアノ演奏中にカメラ目線でおどけてみせたり、おどけた自分に対して思わず吹きだしてしまったり、
極めつけは、トムダンス。一歩間違えば、キチガイっぽいダンスなんだけど、トムがやるからしっくりきたし、笑えた。
レディオヘッドのライヴには、意外や意外、”笑い”が存在していたのどぁ!しかし、根は社会派のトムと愉快な仲間達。突くとこはしっかり突いてくる。
中盤で演奏された ”climbing up the walls”では、イラク・人質解放ニュースのアナウンスをサンプリングしたものを曲に絡めるという演出があった。
現在、解放された人達に対して様々な意見が飛び交っている事を知ってか知らずか、社会派レディオヘッドの”らしさ”を見せつけられた。
直後に鳴らされた”national anthem”は圧巻の一言に尽きる。コリンの野太いベースで幕を開けるエレクトロニカチューンだ。
CDでは限りなく無機質なのに、生で聴いた”national anthem”は物凄く筋肉質で、タフで、最早それはロックだった。エレクトロニカ云々の前に、それはロックとして響いていた。
もう一つの新発見は、コリンのベースプレイだった。”national anthem”に限らず、とにかく物凄くネイティヴファンキーなベースを弾くのである。
技巧派だとは前々から思っていたが、ここまでのモノだったとは。だから、今回のライヴを観てコリンを見る目が180°変わった。
ライヴは終盤に差し掛かり、トムがアコースティックギターを弾きながら優しく歌い出した。”fake plastic trees”だ。
トムの魅力である、”悲しくも力強いヴォーカル”が一番色濃く出ている曲だと思う。大好きな曲だ。
曲終盤で、トムの紡ぎ出す美メロとジョニーのノイズギターが融合した瞬間、堪らないほど涙腺を刺激された。
アンコールで演奏してくれた”planet telex”も凄く良かった。
スタジオ盤とは少し違うアレンジで、のっけから轟音トリプルギターが炸裂。
ギターロック感バリバリで、かつてのレディオヘッドの姿を垣間見る事が出来た。
やはり、聞き手を興奮の渦に巻き込むギターサウンドがレディオヘッドの原点なんだな、と再確認できた。
実は、”planet telex”のギターリフが鳴らされる直前まで、もしかしたら”CREEP”を演奏するんじゃないのかとドキドキしていた。
なんせトム、エド、ジョニーの3人がギターを手にしているし、トムが手にしていたのは”CREEP”のPVで弾いていたと思われる、黒いテレキャスターだったのだ!
ジョニーも同じくテレキャスター!しかし、結局”CREEP”が演奏されることは無かった。
でも、そんなことが些細なことに思えるくらい素晴らしいステージだった。本当に感動的だった。
暫くは、他のバンドのライヴは観たくない。
トムは以前に「ロックは退屈だ。だってゴミ音楽じゃないか。」と発言していた。
しかし、ステージ上でメンバー達が見せていたアクションや、うねりを上げるトリプルギターは”ロック”そのものだった。
本当は、まだまだロックが好きなんだと思う。そんなご様子でしたよ?トムさん!
セットリスト
01. 2+2=5
02. myxomatosis
03. where i end and you begin
04. lucky
05. just
06. the gloaming
07. sail to the moon
08. i might be wrong
09. go to sleep
10. you and whose army?
11. like spinning plates
12. climbing up the walls
13. national anthem
14. fake plastic trees
15. sit down, stand up
16. paranoid android
17. there there
<アンコール1>
18. we suck young blood
19. karma police
20. idioteque
21. how to disappear completely
<アンコール2>
22. planet telex
23. everything in its right place