8/13 SUMMER SONIC 05 OSAKA





さて、決戦当日である。そして夏の最終日である。
熱狂の芽生えと同時に、空虚へのカウントダウン開始である。
腹立たしいほどの矛盾である。だが、それがロックなのである。
辻褄が合うような、全て説明がつくような、ロックはそんな綺麗な音楽では無いのだ。
だからこそ我々は心を奪われ続けてきたのだ。だからこそ我々は引き返さないのだ。
突き抜けた先に出る場所は知っている。それでも我々は行くしかないのだ。




なんてカッコ付けたことを書いてみたが、当編集部の二人は最高にウカレポンチ状態であった。
午前9時、破壊王・e-yan宅前で気合のポージング決めた後、我々は死地に向かって旅立った。
天気は曇り空で、暑さも全く感じられない夏らしからぬ天気であった。
過去二回のサマソニで照り焼きの刑を喰らい、今回も猛暑を覚悟していた身としては、少し拍子抜けだ。
だが、後に登場するRip Slymeの太った人(名前失念)の言葉を借りれば、「涼しくていいんじゃね?」である。

左:部長 右:e-yan




午前10時30分頃、会場最寄駅に到着。11時のThe Othersのステージには間に合うだろうと踏んでいたが、
破壊王・e-yanが言うには、「昨年とリストバンド交換場所が違っている。」そうで、
結局、随分遠回りしてリストバンド交換所に行くハメになった。
それにしても浜風が気持ち良かった。本当に全く暑さを感じなかった。

リストバンド交換を待つ人々




我々がリストバンド交換所に辿り着いた頃、オープンエアステージからはトップバッター・The Othersの演奏が聴こえてきた。
リストバンド交換を終えた我々は、歩を速めて会場へ向かった。
そして11時30分頃、私は遂にオープンエアステージ初潜入に成功した。
あとは演奏を心ゆくまで楽しむのみ!

部長ご満悦ぅ〜♪




11:10〜 The Others (WTC OPEN AIR STADIUM)
残念ながら途中からの観戦となった、The Others。イギリスの新人さんである。
ポストThe Libertinesという触れ込みだったので、ヘロヘロした音楽だと思っていたが、
中々に勢いのあるガレージロックだと感じた。ちょっとCD欲しいなと思った。
お客の反応も良かったし、トップバッターの役目は充分に果たしと言えるのではないだろうか。
変な動きをするパーマでアホ面のフロントマンは、観ていて微笑ましかったなあ。




12:05〜 Rip Slyme (WTC OPEN AIR STADIUM)
次に控えるYellow Cardを好位置で観るため、ここからアリーナのセンターブロックに潜り込んだ。
人気アーティストということもあり、先ほどに比べ客はドッと増えた。
生憎の天気であったが、トロピカルな楽曲は効力を全く失うことなく、会場は破竹の盛り上がりを見せていた。
太った人(名前失念)の「亀田三兄弟が大好きです!」というMCには思わず大爆笑。

Rip Slymeライヴスタート前




13:10〜 Yellow Card (WTC OPEN AIR STADIUM)
さあ、前半戦最大の山場到来である。アメリカの若手パンクバンドのホープ、Yellow Cardの登場だ。
ゴリラ面のヴァイオリニスト・ショーンさんに大注目である。なんたって若手No1の煽り屋だもの。
"Breathing"でライヴはスタートし、アリーナ前方はモッシュピットと化した。
フルタイム戦える自信があったのだが、一年四ヶ月のブランクは思ったよりも深刻で、
最初の2曲でモッシュ合戦は辞退させて頂いた。私も衰えたのもだ。
03のレポートで「明日もモッシュしまくるぞ!」と言っていたのが嘘のようである。

後方に一旦退避し観戦再開。あまり前に出すぎるよりは、少しくらい後のほうが良く観える。
注目のショーンさんはアリーナ席にまで降りていったり、果敢にコーラス取りをしたりと、やはり目立ちまくり。
ショーン「サンキュー!!トキオー!!・・・!?オーサカー!!シット!!」
客「ブー!!」
ショーン「スイマセーン!スイマセーン!」
このマヌケなやり取りは、ある意味このライヴのハイライトだったかも。必殺のバック宙が観れなかったのは残念だった。

バンド屈指のアゲアゲソング"Life Of A Salesman"が始まると、会場はさらなる盛り上がりを見せる。
そこかしこでモッシュが起こり、私もヤケクソでモッシュピットに突入。
途中、眼鏡を吹き飛ばされるというアクシデントに見舞われたが、見知らぬアンチャンが死守してくれた。マジ多謝。
ラストは、Yellow Cardの独特な世界観が最も色濃く出ている"Way Away"だ。
この曲は「Anything!!!」というキメフレーズで曲が終わる。当然私も拳を突き上げ「Anything!!!」と咆哮。
「決まったー!」と思ったその瞬間、後ろから物凄い勢いで体をぶつけられ、思わず変な声が出てしまった。
コント的な仕打ちを受けつつも、会場はこの日最高のモッシュ率を記録して、大興奮の中ライヴは終了した。
EP一枚で話題になったようなバンドとは違う、現場叩き上げバンドならではのタフネスを充分に感じられたライヴだった。
終了後、ふとTシャツの左脇に目をやると、誰かさんの返り血が付いていた。激しいライヴであった事を改めて実感。
どこからともなく聞こえてきた「ギターとベース全然目立ってへんやん。」という声には、妙に納得。

噂の返り血




ライヴ終了後、出口で破壊王・e-yanと落ち合った。
予想外に激しいライヴでボロボロになった我々は、序盤でかなりの体力を消耗してしまった。
破壊王・e-yanは、「CDは軽いよ。」という私の言葉を真に受けて、見事にモッシュピットの餌食なったそうだ。
とにもかくにも、手負いの20代半ば二人組は、当初の予定通り、ここで休憩を入れることにした。一路インテックス大阪へ。

破壊王・e-yanが言うには、昨年のスポンサーブースのギャッツビーガールの衣装が凄かったらしい。
オッパイの辺とか凄かったらしい。ギリギリだったらしい。
「それは揉んでも良いのか?」と聞いてみたが、当然ダメなんだそうだ。
とにかく、今年は是非ギャッツビーガールと2ショット写真を撮りたいと思っていたが、
破壊王・e-yanがチラ見してきたら、今年は普通の衣装だったのであえなく断念。

さて、飯だ。飯もまたフェスの醍醐味の一つ。しかし、まだ美味い飯に当たったことが無い。
02、一人でハイネケンを煽りながら無理やり胃に流し込んだ豆カレー。
03、サマソニ戦友・ぱ〜こに「残飯みたい。」と酷評されたタイカレー。
過去二回とも、カレーで酷い目にあってるので、今年こそは美味いカレーを食ってやろうと意気込んでいたのだが、
飲食ブースはどこも長蛇の列。一番人が少ないブースに並んで、焼そばとフランクフルトとハイネケンという定番メニューで妥協。
大阪は飲食ブースが少ないのかな?東京会場はよく憶えてないけど、あまり長時間並んだ記憶は無い。ここは要改善かな。
東京会場なら移動せずとも球場の売店で飯が買えるが、大阪会場はメインステージで飯を売ってない。ここも不便だと感じた。

破壊王・e-yanに、久々に炭水化物を摂取させる事に成功した後、我々は再びオープンエアスタジアムへ。
これからラスト4バンドにかけては休憩無しの連戦になる。
既に足腰にかなりキていた我々は、意を決して会場に向かった。

サイン会中のKasabianとバッタリ




15:30〜 Asian Kung-Fu Generation (WTC OPEN AIR STADIUM)
日本ロック界の若きエース・アジカンの登場だ。我々が会場に戻った頃には、かなりの客入りで、アリーナ席には入れない状態だった。
次のKasabianでのセンターブロック突入に備え、ブロック入り口付近に陣取り、クールダウンも兼ねて腕組み観戦。

"君という花"でスタートするという、意表を突くセットリスト。てっきりここにピークを持ってくるもんだと思ってた。
左上唇をウェッと吊り上げながら泣きッ面で歌う後藤さんが印象的。
オーラが無いとか、タクシーの運ちゃんにバイトと間違えられたとか、自虐ネタで笑いを取りつつも、
自らのルーツである、OasisやWeezerと同じステージに立てる事にかなり感動していたようだった。
が、残念ながら演奏自体は、こじんまりとした感じで、客の多さとは裏腹にあまり盛り上がっていなかったように思えた。
ライヴに関しては当たり外れが多いバンドだと聞いていたので、ここは運が悪かったと思って諦めた。次の機会に期待。
だが、ディスコビートに乗っかるこの面白いギターロックの存在は貴重だと思う。




16:45〜 Kasabian (WTC OPEN AIR STADIUM)
アジカンが終了し、センターブロック入り口に人がドンドン押し寄せてきた。
ここで突入に失敗すれば、次のチャンスは皆無だと思われる。
何せ後に控えているのはWeezerとOasisだ。皆必死である。
ノッキングオン編集部はセンターブロック突入を賭けた押し合い圧し合いを見事制し、
本日二度目の本陣討入りに成功。好位置での取材続行となった。

アジカンの時は、時折太陽が顔を覗かせる場面もあったが、Kasabianのステージが始まる頃には雨がパラつき始めた。
とは言っても、閉鎖的クラブロックを身上とする彼らにとって、お日様なんて似合わない。逆に絶好のシチュエーションと言えるだろう。
正直、こういう音楽性のバンドが屋外でやるのは苦しいんじゃないかと思っていたが、それも杞憂だった。
横に太くうねるグルーヴは、かなりフィジカルに訴えかけてくるものがあり、威力は充分。音圧もアジカンの比ではなかった。
ラストは皆さんお待ちかねの"Club Foot"だ。あの歪んだベース音が鳴った瞬間、怒号が響き渡った。
皆も私も存分に「ウッ!アアアア〜アア〜♪」を堪能・合唱。終わってみれば予想以上の好アクトだった。




18:00〜 Weezer (WTC OPEN AIR STADIUM)
何時の間にか雨はやみ、陽もすっかり落ちかけてきた。
残すところ2アクト。我々の位置からでは客入りの状況は把握できなかったが、きっとかなりの入りだったのだろう。
そうこうしているうちに、ステージ袖からYellow CardのライアンとLPが見守る中、皆大好き・Weezerのライヴがスタート。
のんびりとした雰囲気でメンバーが登場。”元祖・オーラが無い”の面目躍如である。
スコットは相変わらず筋骨隆々だ。着用していたタイトシャツがパンパンで、今にもボタンが弾け飛びそうだった。
ほんとに、この男だけは舐めてかかっちゃいけない。一人だけ張りが違うもの。

はてさて一曲目は"Photograph"。皆、飛ぶ!飛ぶ!クゥ〜、やっぱ無条件で盛り上がる。
「コンニチハ」(ボソっと)、「モシモシ」、「ガンバレー」など、クオモのシュールなMCも毎度のことウケている。
ギターヒーローにでもなったかのようにSGを弾き倒すクオモは、いつになくアクティヴだった。
この日のセットリストは初期の曲が多めに盛り込まれており、個人的にはガッツポーズものだった。
中でも、"No One Else"はまさか演奏してくれるとは思ってもいなかったので、メチャクチャ嬉しかった。
今回はサポートギタリストを擁した布陣で、曲によってブライアンやスコットがヴォーカルを執るという場面も見られた。
ライヴは爆発的な盛り上がりを見せ、初期の名曲"Surf Wax America"でドカーンと締めくくられた。
今回でWeezerを観るのは三度目だったけど、今日が一番良いライヴだったと思う。

演奏終了後、まだクオモとパットとスコットがステージ上に居残ってゴソゴソしている。
スコットはステージ前方に置いてあるエフェクターを弄って怪音を発している。
各々好き勝手やってたが、ブライアンだけは速攻で引っ込んで行った。
終わり方が三年前と全く一緒だったので、一人で爆笑してしまった。

Weezerはこれでもう三度目のサマソニ出演である。もうレギュラーと言っても差し障りないだろう。
そんなWeezer、自分の中では「トリ前のWeezer」という形で名物化してしまっている。
前回はガンズの前を任され、今回はOasisの前である。
きっとこれからもサマソニに出てくれるだろうし、今更トリ扱いなんて考えられないだろう。
ということで、Weezerにはこれからも偉大なるNo2として、サマソニメインステージに君臨して欲しいと思う。

Weezerライヴスタート前




19:30〜 Oasis (WTC OPEN AIR STADIUM)
陽は完全に沈み、残すはあと1バンド、UK最後の暴君・Oasisのみだ。
彼らの登場を待ち侘びている反面、この宴の終焉を拒んでいることもまた事実。
私は心中複雑で、中々気持ちの整理がつかなかった。
しかし時間は待ってはくれない。そう、遂に鳴ってしまったのだ。"Fuckin' In The Bushes"
貫禄たっぷりで入場してきたOasisの面々。響き渡る怒号、怒号、怒号。恐らく、ここが今日本で一番五月蝿い場所だ。
メンバーが各々のポジションについた。そして、鳴った。"Turn Up The Sun"
リアムがあのスタイルでマイクの前に立つ。リアムがあの唯一無二の歌声で歌う。
血圧が一気に上がった。何だ、このとてつもない高揚感は。とても言葉では言い表せない。
強いて言うなら、”ジョジョの奇妙な冒険”の悪役ディオの名セリフ「オレは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!」である。
そうだ、もうここでなら人間をやめても良いと思ったのだ。
願わくば、”24歳変態男性、英・人気ロックバンドのライヴ中に感動死”という見出しで紙面を賑わせたい。
フルスロットルを更に越えたテンションも手伝って、疲れ果てていた筈の体は、この日最高の跳躍を見せた。
"Turn Up The Sun"のヴォーカルパートが終わると、リアムは、アウトロを演奏しているお兄ちゃんの前方で直立不動。
時にはタンバリンを口に咥えたり、頭に乗せたりして、ひたすら直立不動。
ピクリとも動かない。うわー!超ふてぶてしい!素敵やん!

イメージ図

なんか機嫌でも悪いのかと思ったが、演奏が終わると、「上出来だぜマ○コ野郎ども。」
とでも言わんばかりの表情で、客席に向かって二、三度手を叩いた。うむ、機嫌は悪くないっぽい。
二曲目"Lyla"に雪崩れ込み、大合唱が起きる。ライヴの醍醐味は、やはりシンガロングだ。
もう、当然の如く、このライヴは半端じゃない合唱率を叩き出していた。
目の前のチャラいアンチャンも、隣の鬼太郎のサラリーマンみたいな人も、ドスケベ眼鏡ヅラの私も、皆歌っている。
ロクデナシ兄弟の楽曲は、本当に沢山の人達の人生に介入しているのだなあと、しみじみと感じた。
この大合唱に応えてくれたのか、お兄ちゃんが"Don't Look Back In Anger"のサビを何度か我々に譲ってくれる場面もあった。

「新曲だぜ。」と前置いておきながら、"Live Forever"を歌いだすリアム。
ザックは"Wonder Wall"の出だしのカウント取りを二回トチり、三度目にしてようやく演奏がスタート。
すると「お、やっと合ったぜ、マ○コ野郎ども。」みたいな、嬉々とした表情で観客に向かって拍手するリアム。微笑ましい場面も多かった。

中央の豆粒がリアム

恐らく東京と同じだとは思うが、この日のセットリストは、新作をベースに初期二作の楽曲を織り交ぜたものだった。
聴きたい曲はほぼ全部聴けたという、文句の付けようのない内容だった。
特に、名曲"Champagne Supernova"は終始鳥肌が立ちっぱなしだった。シンプルで短いあのギターフレーズ、マジで神懸ってた。
名曲の連打と観客の大合唱。この構図は最後まで崩れることはなかった。
そして、夢のような時間も最後の時が訪れる。最後を飾るのはThe Whoの名曲"My Generation"だ。
この日最後の合唱が巻き起こる。ザックの壮絶なドラムロールが有終の美を飾る。
ステージ上で倒れこむリアム。観客に感謝するように手を叩くお兄ちゃん。
熱狂の一夜は、遂に終わった。

2005年8月13日。全てが上手く回り続けた完璧な夜だった。
こんなに完璧な夜は、死ぬまでにあと何度体験出来るのだろうか?
そうそう味わえるものではないということだけは確かだ。
だから、この日の出来事は、墓場に入る日が来るまで大切に仕舞い込んでおくことにしようと思う。




本当に燃え尽きた一日だった。一年四ヶ月振りのライヴは、思っていた以上に過酷ではあったが、
怪我をすることもなく、体調を崩すこともなく、思い切りショーを楽しめた。
そして、我々ノッキングオン編集部一同は、破綻寸前の足腰を引きずりながら帰路に着いたのだった。

感無量!!




さて、我々のサマソニはまだ終わらない。
断リストバンド式が残っているのだ。
毎回これを行うのが常である。だが、何度やっても、カット直前の心苦しさは消えやしない。
しかし、これはケジメとして、破壊王・e-yanとシンミリと執り行った。始めたことはキッチリ終わらせなきゃ。

今年のリストバンドの作りはショボかったよ




えーと、しつこいけど、まだ終わらない。
破壊王・e-yan宅に戻ってからは、現実逃避という名の酒盛りを一人で敢行。
ダイエッターの破壊王・e-yanは当然付き合ってくれず。
途中、時代を見越した女・ぱ〜こに、今日の顛末を説明しつつグビグビグビグビ。

最後の晩餐

「終わったな・・・。」
「終わった・・・。」
破壊王・e-yanと交互に呟きながらグビグビグビグビ。
疲れ果てていた所為もあり、落城はいつもより早かった。
三缶目を半分ほど飲んだところで痛恨の寝落ち。
翌朝、破壊王・e-yanが言うには、私は「このまますぐ寝れそうやな。」
と呟いて横なったらホントにそのまま寝たそうだ。のび太か。
そんなこんなで、終焉はあっけなく訪れたのであった。
縁があれば来年も誰かさんと行けたら良いな。



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